第一種衛生管理者 過去問    

R5-4月 公開問題


関係法令(有害業務に係るもの)

問題1
ある製造業の事業場の労働者数及び有害業務等従事状況並びに産業医及び衛生管理者の選任の状況は、次の①~③のとおりである。この事業場の産業医及び衛生管理者の選任についての法令違反の状況に関する(1)~(5)の記述のうち、正しいものはどれか。
ただし、産業医及び衛生管理者の選任の特例はないものとする。
① 労働者数及び有害業務等従事状況
  常時使用する労働者数は800人であり、このうち、深夜業を含む業務に400人が、強烈な騒音を発する場所における業務に30人が常時従事しているが、他に有害業務に従事している者はいない。
② 産業医の選任の状況
  選任している産業医数は1人である。
  この産業医は、この事業場に専属の者ではないが、産業医としての法令の要件を満たしている医師である。
③ 衛生管理者の選任の状況
  選任している衛生管理者数は3人である。
  このうち1人は、この事業場に専属でない労働衛生コンサルタントで、衛生工学衛生管理者免許を有していない。
  他の2人は、この事業場に専属で、共に衛生管理者としての業務以外の業務を兼任しており、また、第一種衛生管理者
  免許を有しているが、衛生工学衛生管理者免許を有していない。
(1)選任している産業医がこの事業場に専属でないことが違反である。
(2)選任している衛生管理者数が少ないことが違反である。
(3)衛生管理者として選任している労働衛生コンサルタントがこの事業場に専属でないことが違反である。
(4)衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任した衛生管理者が1人もいないことが違反である。
(5)専任の衛生管理者が1人もいないことが違反である。
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問題2
次のAからDの作業について、法令上、作業主任者の選任が義務付けられているものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。。
 A 水深 10 m以上の場所における潜水の作業
 B セメント製造工程においてセメントを袋詰めする作業
 C 製造工程において硫酸を用いて行う洗浄の作業
 D 石炭を入れてあるホッパーの内部における作業
(1)A,B
(2)A,C
(3)A,D
(4)B,C
(5)C,D
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問題3
次の業務に労働者を就かせるとき、法令に基づく安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならないものに該当しないものはどれか。
(1)石綿等が使用されている建築物の解体等の作業に係る業務
(2)高圧室内作業に係る業務
(3)有機溶剤等を用いて行う接着の業務
(4)廃棄物の焼却施設において焼却灰を取り扱う業務
(5)エックス線装置を用いて行う透過写真の撮影の業務
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問題4
次の装置のうち、法令上、定期自主検査の実施義務が規定されているものはどれか。
(1)塩化水素を重量の 20 %含有する塩酸を使用する屋内の作業場所に設けた局所排気装置
(2)アーク溶接を行う屋内の作業場所に設けた全体換気装置
(3)エタノールを使用する作業場所に設けた局所排気装置
(4)アンモニアを使用する屋内の作業場所に設けたプッシュプル型換気装置
(5)トルエンを重量の10%含有する塗料を用いて塗装する屋内の作業場所に設けた局所排気装置
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問題5
屋内作業場において、第二種有機溶剤等を使用して常時洗浄作業を行う場合の措置として、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
ただし、有機溶剤中毒予防規則に定める適用除外及び設備の特例はないものとする。
(1)作業場所に設けた局所排気装置について、囲い式フードの場合は0.4m/sの制御風速を出し得る能力を有するもの
  にする。
(2)有機溶剤等の区分の色分けによる表示を黄色で行う。
(3)作業中の労働者が見やすい場所に、有機溶剤の人体に及ぼす作用、有機溶剤等の取扱い上の注意事項及び有機
  溶剤による中毒が発生したときの応急処置を掲示する。
(4)作業に常時従事する労働者に対し、6か月以内ごとに1回、定期に、特別の項目について医師による健康診断を行い、
  その結果に基づき作成した有機溶剤等健康診断個人票を3年間保存する。
(5)労働者が有機溶剤を多量に吸入したときは、速やかに、当該労働者に医師による診察又は処置を受けさせる。
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問題6
酸素欠乏症等防止規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)酸素欠乏とは、空気中の酸素の濃度が 18 %未満である状態をいう。
(2)海水が滞留したことのあるピットの内部における作業については、酸素欠乏危険作業主任者技能講習を修了した者のう
  ちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。
(3)第一種酸素欠乏危険作業を行う作業場については、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素
  の濃度を測定しなければならない。
(4)酸素又は硫化水素の濃度が法定の基準を満たすようにするために酸素欠乏危険作業を行う場所を換気するときは、
  純酸素を使用してはならない。
(5)し尿を入れたことのあるポンプを修理する場合で、これを分解する作業に労働者を従事させるときは、指揮者を選任
  し、作業を指揮させなければならない。
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問題7
じん肺法に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
(1)じん肺管理区分の管理一は、じん肺健康診断の結果、じん肺の所見がないと認められるものをいう。
(2)じん肺管理区分の管理二は、じん肺健康診断の結果、エックス線写真の像が第一型でじん肺による著しい肺機能の
  障害がないと認められるものをいう。
(3)常時粉じん作業に従事する労働者でじん肺管理区分が管理二であるものに対しては、1年以内ごとに1回、定期的に、
  じん肺健康診断を行わなければならない。
(4)都道府県労働局長は、事業者から、法令に基づいて、じん肺の所見があると診断された労働者についてのエックス線
  写真等が提出されたときは、これらを基礎として、地方じん肺診査医の診断又は審査により、当該労働者についてじん
  肺管理区分の決定をするものとする。
(5)じん肺管理区分が管理三と決定された者及び合併症にかかっていると認められる者は、療養を要するものとする。
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問題8
労働安全衛生規則の衛生基準について、誤っているものは次のうちどれか。
(1)硫化水素濃度が5 ppm を超える場所には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所
  に表示しなければならない。
(2)強烈な騒音を発する屋内作業場においては、その伝ぱを防ぐため、隔壁を設ける等必要な措置を講じなければならな
  い。
(3)屋内作業場に多量の熱を放散する溶融炉があるときは、加熱された空気を直接屋外に排出し、又はその放射するふく射
  熱から労働者を保護する措置を講じなければならない。
(4)病原体により汚染された排気、排液又は廃棄物については、消毒、殺菌等適切な処理をした後に、排出し、又は廃棄し
  なければならない。
(5)著しく暑熱又は多湿の作業場においては、坑内等特殊な作業場でやむを得ない事由がある場合を除き、休憩の設備を
  作業場外に設けなければならない。
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問題9
法令に基づき定期に行う作業環境測定とその測定頻度との組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
鉛ライニングの業務を行う屋内作業場における空気中の鉛濃度の測定 ・・・・・ 6か月以内ごとに1回
動力により駆動されるハンマーを用いる金属の成型の業務を行う屋内作業場における等価騒音レベルの測定 ・・・・・ 6か月以内ごとに1回
第二種有機溶剤等を用いて塗装の業務を行う屋内作業場における空気中の有機溶剤の濃度の測定 ・・・・・ 6か月以内ごとに1回
通気設備が設けられている坑内の作業場における通気量の測定 ・・・・・ 半月以内ごとに1回
溶融ガラスからガラス製品を成型する業務を行う屋内作業場の気温、湿度及びふく射熱の測定 ・・・・・ 半月以内ごとに1回
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問題10
労働基準法に基づく有害業務への就業制限に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)満18歳未満の者は、多量の低温物体を取り扱う業務に就かせてはならない。
(2)妊娠中の女性は、異常気圧下における業務に就かせてはならない。
(3)満18歳以上で産後8週間を経過したが1年を経過しない女性から、著しく暑熱な場所における業務に従事しない旨の
  申出があった場合には、当該業務に就かせてはならない。
(4)満18歳以上で産後8週間を経過したが1年を経過しない女性から、さく岩機、鋲打機等身体に著しい振動を与える機
  械器具を用いて行う業務に従事したい旨の申出があった場合には、当該業務に就かせることができる。
(5)満18歳以上で産後1年を経過した女性は、多量の低温物体を取り扱う業務に就かせることができる。
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労働衛生(有害業務に係るもの)

問題11
化学物質等による疾病のリスクの低減措置について、法令に定められた措置以外の措置を検討する場合、優先度の最も高いものは次のうちどれか。
(1)化学物質等に係る機械設備等の密閉化
(2)化学物質等に係る機械設備等への局所排気装置の設置
(3)作業手順の改善
(4)化学物質等の有害性に応じた有効な保護具の使用
(5)化学反応のプロセス等の運転条件の変更
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問題12
次の化学物質のうち、常温・常圧(25℃、1気圧)の空気中で蒸気として存在するものはどれか。
ただし、蒸気とは、常温・常圧で液体又は固体の物質が蒸気圧に応じて揮発又は昇華して気体となっているものをいうものとする。
(1)塩化ビニル
(2)ジクロロベンジジン
(3)アクリロニトリル
(4)エチレンオキシド
(5)二酸化マンガン
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問題13
潜水作業、高圧室内作業などの作業における高圧の影響又は高圧環境下から常圧に戻る際の減圧の影響により、直接には発症しない健康障害は次のうちどれか。
(1)酸素中毒
(2)一酸化炭素中毒
(3)炭酸ガス(二酸化炭素)中毒
(4)窒素酔い
(5)減圧症
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問題14
有機溶剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)有機溶剤の多くは、揮発性が高く、その蒸気は空気より軽い。
(2)有機溶剤は、脂溶性が低いため、脂肪の多い脳などには入りにくい。
(3)ノルマルヘキサンによる障害として顕著なものには、白血病や皮膚がんがある。
(4)二硫化炭素は、動脈硬化を進行させたり、精神障害を生じさせることがある。
(5)N,N-ジメチルホルムアミドによる障害として顕著なものには、視力低下を伴う視神経障害がある。
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問題15
作業環境における騒音及びそれによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)人が聴くことができる音の周波数は、およそ20~20,000Hzである。
(2)音圧レベルは、通常、その音圧と人間が聴くことができる最も小さな音圧(20μPa)との比の常用対数を 20 倍して
  求められ、その単位はデシベル(dB)で表される。
(3)等価騒音レベルは、単位時間(1時間)について10分間ごとのピーク値の騒音レベルを平均化した評価値で、変動す
  る騒音に対して適用される。
(4)騒音性難聴では、通常、会話音域より高い音域から聴力低下が始まる。
(5)騒音性難聴は、音を神経に伝達する内耳の聴覚器官の有毛細胞の変性によって起こる。
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問題16
作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)レイノー現象は、振動工具などによる末梢循環障害で、冬期に発生しやすい。
(2)けい肺は、鉄、アルミニウムなどの金属粉じんによる肺の線維増殖性変化で、けい肺結節という線維性の結節が形成
  される。
(3)金属熱は、鉄、アルミニウムなどの金属を溶融する作業などに長時間従事した際に、高温環境により体温調節機能が
  障害を受けることにより発生する。
(4)電離放射線による造血器障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量
  に対応して増加する。
(5)熱けいれんは、高温環境下での労働において、皮膚の血管に血液がたまり、脳への血液の流れが少なくなることに
  より発生し、めまい、失神などの症状がみられる。
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問題17
化学物質による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)塩素による中毒では、再生不良性貧血、溶血などの造血機能の障害がみられる。
(2)シアン化水素による中毒では、細胞内の酸素の利用の障害による呼吸困難、けいれんなどがみられる。
(3)弗化水素による中毒では、脳神経細胞が侵され、幻覚、錯乱などの精神障害がみられる。
(4)酢酸メチルによる慢性中毒では、微細動脈瘤を伴う脳卒中などがみられる。
(5)二酸化窒素による慢性中毒では、骨の硬化、斑状歯などがみられる。
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問題18
労働衛生保護具に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)ガス又は蒸気状の有害物質が粉じんと混在している作業環境中で防毒マスクを使用するときは、防じん機能を有する
  防毒マスクを選択する。
(2)防毒マスクの吸収缶の色は、一酸化炭素用は赤色で、有機ガス用は黒色である。
(3)送気マスクは、清浄な空気をボンベに詰めたものを空気源として作業者に供給する自給式呼吸器である。
(4)遮光保護具には、遮光度番号が定められており、溶接作業などの作業の種類に応じて適切な遮光度番号のものを
  使用する。
(5)騒音作業における聴覚保護具(防音保護具)として、耳覆い(イヤーマフ)又は耳栓のどちらを選ぶかは、作業の性質
  や騒音の特性で決まるが、非常に強烈な騒音に対しては両者の併用も有効である。
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問題19
特殊健康診断に関する次の文中の[   ]内に入れるAからCの語句の組合せとして、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。
「特殊健康診断において有害物の体内摂取量を把握する検査として生物学的モニタリングがあり、スチレンについては、尿中の[ A ]及びフェニルグリオキシル酸の総量を測定し、[ B ]については、[ C ]中のデルタアミノレブリン酸を測定する。」
    A  B  C
(1)馬尿酸 尿
(2)馬尿酸 水銀 血液
(3)メチル馬尿酸 血液
(4)マンデル酸 水銀 血液
(5)マンデル酸 尿
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問題20
局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。
(2)フード開口部の周囲にフランジがあると、フランジがないときに比べ、気流の整流作用が増すため、大きな排風量が
  必要となる。
(3)キャノピ型フードは、発生源からの熱による上昇気流を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類される。
(4)スロット型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、囲い式フードに分類される。
(5)空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般に、フードに接続した吸引ダクトと空気清
  浄装置の間に設ける。
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